Macを使って何かを行う際に、バックグラウンドでは数十件から数百件ものプロセスが動いています。 これらのプロセスは、Macの時計の表示から、ゲームのプレイ、ビデオの編集まで、あらゆることを管理しています。 通常であれば、これらのプロセスについて考える必要は全くありません。しかし、Macの動作が遅くなったり、異常な動作をしたり、フリーズするようであれば、なぜそれが起きているのかであったり、どのプロセスが問題を引き起こしているのかを調査して、原因を特定するべきかもしれません。 Mac上で最も重要なプロセスの1つがCore Audioです。これは、音楽やポッドキャストの再生、ビデオ視聴、FaceTimeやZoomのようなアプリでの通話など、macOSにおけるオーディオのあらゆる機能を管理するものです。 Core Audioの核となるのはcoreaudiodです。これはcore audio daemonの略であり、Core Audioを動作させるプロセスです。 この記事では、MacでcoreaudiodのCPU使用率が高くなっている場合の対処法を説明していきます。
Macのcoreaudiodとは
Core Audio daemon (略称:coreaudiod) とはMac上でオーディオを使用するすべてのものにとって重要なプロセスです。 Core Audioは、macOSのAPI (アプリケーションプログラミングインターフェース) で、サードパーティ製品の開発者がMacのオーディオシステムに接続し、マイクやスピーカーを使えるようにするものです。 ただし、Core Audioを使うのはサードパーティ製のアプリケーションだけではありません。 Music、Apple TV、Podcastのような内蔵アプリはもちろん、GarageBandやiMovieもこれを使用します。 そして、Core Audioが使われるたびに、coreaudiodがバックグラウンドで実行されます。

coreaudiodのCPU使用率が高くなる原因
通常であれば、CPU使用率が高くなるような事はありません。 多くの場合、coreaudiodはMacのシステムリソースをほとんど消費しません。 しかし、何らかの問題によってcoreaudiodが不具合を起こし、CPUサイクルを大量に消費することがあります。 問題の原因としては、以下のようなものが考えられます:
- オーディオ設定が保存されている次のディレクトリをCore Audioが見つけられない:/Library/Preferences/Audio/
- サードパーティ製アプリとの競合によって、Core Audioに問題が起きる。
- Macがオーバーヒートするリスクがある。 通常、オーバーヒートのリスクをmacOSが検知すると、kernel_taskプロセスがCPUサイクルを使い、他のプロセスによるCPUの使用を抑制してオーバーヒートのリスクを軽減します。 しかし、WindowServerやcoreaudiodなどの他のプロセスでも同じことが起こるという報告があります。
CoreAudioのCPU使用率が高い時の対処法
1. 原因がcoreaudiodであることを確認
「アプリケーション」>「ユーティリティ」に進み「アクティビティモニタ」を開きます。 「CPU」のタブを開きます。 使用しているCPUサイクルの割合順に並べられたプロセスの一覧が表示されます。 coreaudiodのCPU使用率が高い場合には、その一覧の上部付近に表示されます。

2. オーディオ設定ディレクトリの存在を確認
DockのFinderアイコンをクリックしてメニューから「移動」を選択し「フォルダへ移動」に進みます。 テキストボックスに次のパスを貼り付けてReturnキーを押します:/Library/Preferences/Audio/ — これで「Audio」という名前のフォルダが開けば、正常に機能しています。

3. coreaudiodを再起動
ターミナルからcoreaudiodを再起動すると、問題が解決する可能性があります:
- 「アプリケーション」>「ユーティリティ」に進み「ターミナル」を開きます。
- 次のコマンドを貼り付けてReturnキーを押し、パスワードを入力します:
sudo killall coreaudiod
- 実行が終わったら、ターミナルを終了します。

4. 不要データを削除
Macの動作に異常を感じ始めたときに、もう1つ必ずやるべきことは、不要ファイルを消去することです。 これらには、キャッシュであったり、削除されずに残った一時ファイル、もうMac上に存在しないアプリの古い設定ファイル、使用しない言語ファイルなどが含まれます。 これらすべてのファイルを自力で削除するのは、それぞれ個別に見つけ出す必要があるので、時間が掛かる大変な作業です。
ただし、自力で行う必要はありません。 CleanMyMacの「クリーンアップ」機能を使えば、数クリックだけで完了します。 これはMacをスキャンして不要ファイルを探します。 それが完了したら、見つかったものをすべてワンクリックで削除するか、内容をチェックして、削除したいものと残したいものを判断することができます。CleanMyMacの無料トライアルをスタートしましょう。そして次のステップに進みます:
- CleanMyMacを起動します。
- 「クリーンアップ」>「スキャン」>「クリーンアップ」をクリックします。 これだけで完了です!

5. macOSをアップデート
Macで問題が発生したり、動作に異常がある場合には、macOSのアップデートがないかをチェックしてみるべきです。
- 「システム設定」から「一般」>「ソフトウェアアップデート」に進みます。
- アップデートの確認が終わるまで待機して、アップデートがあれば画面の指示に従ってインストールします。

6. オーディオアプリをモニタリング
上記のどれでも解決しない場合は、次のステップとして、使用しているオーディオアプリを1つずつ確認します。 特定の1つのアプリのせいで問題が起きているのか、複数のアプリが原因なのかを確認します。 1つのアプリが原因であれば、そのアプリの利用可能なアップデートがあるかをチェックします。 これで問題が解決するかもしれません。
7. Macにウイルスがいないか確認
最も一般的なウイルス感染症状の1つは、Macが正常であれば問題なくこなせるはずのオーディオ再生などのタスクに対して、はるかに多くのリソースを消費するようになることです。 したがって、上記の手順のいずれも効果がないようであれば、ウイルスの存在をチェックしてみる価値があります。 これを行うには、専門的なツールが必要です。 オススメは、CleanMyMacの「セキュリティ保護」機能の「ウイルス削除」ツールです。 これはMacをスキャンして、アドウェア、ランサムウェア、ブラウザハイジャッカー等のウイルスを探します。 何か検出された場合は警告が表示され、素早くそれを削除することができます。 ディープスキャン、クイックスキャン、またはバランススキャンから選んで実行することができ、ウイルスのスキャンを自動的に行うか、自ら実行したときにのみ行うかも選択することができます。 Macでウイルススキャンを行う手順:
- CleanMyMacを起動します。
- 「セキュリティ保護」>「スキャン」をクリックして、ウイルスが検出された場合は「削除」を実行します。

coreaudiodは、Macでオーディオの再生や録音を行うためにCore Audioが利用するバックグラウンドのプロセスです。 通常であれば、これは何も考えなくても自動的に機能しているものです。 ただし、何らかの問題によって、coreaudiodのCPU使用率が高くなることがあります。 そのような場合は、上記の手順で対処して、再びMacが円滑に動くようにしましょう。