2021年、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長であるCraig Federighi氏は、macOS上のマルウェアの量が許容できないレベルにあると発言しています。Malwarebytesによると、macOSに特化したマルウェアの感染が200%も急増しているとのことです。 ちょっと恐ろしいですよね? こちらの記事でMacのマルウェアに関する削除を見ていきましょう。

マルウェアとは

「マルウェア」という用語は、望ましくない侵入物を意味する用語です。 同じ意味で「ウイルス」という言葉がよく使われていますが、後者は配布のモデル、つまりアプリが自己複製する方法に過ぎないため、「ウイルス」という用語と同義ではありません。 Macでよく遭遇するマルウェアには、ダウンロードマネージャ、バックドア感染、スパイウェア、キーロガー、ボットネット、トロイの木馬、ランサムウェア、潜在的に望ましくないアプリ(PUA)などがあります。

お役立ち情報

お使いのMacがマルウェアに感染していると思われる場合は、インターネットから切断し、できるだけオフラインの状態を保ちましょう。 感染の拡大やデータの損失を防ぐことができます。

これから紹介するマルウェア除去ステップのほとんどはインターネット接続を必要としないため、インターネット接続を切断することはさらなる予防策となります。 手作業による除去手順を省略して自動除去に移行する場合は、まずおすすめのアンチウイルス・ツールCleanMyMac をダウンロードしてから、インターネットとの接続を切断してください。

    separator-protection

    Macからマルウェアやウイルスを駆除する方法

    マルウェアの種類に関係なく、Macからマルウェアを駆除する一般的な方法は、手作業・自動化どちらもあります。 ここでは、Macでマルウェアを駆除する方法をご紹介します。

    Macからウイルスを自動的に削除する方法

    Macにおけるウイルス対策は、専用のアプリを使うとより効果的です。 オススメはCleanMyMacです。 これは、アドウェア、スパイウェア、ランサムウェア、ワーム、暗号通貨マイナーなど、多様なウイルスの脅威を識別することができます。CleanMyMacが不審なものを発見した場合、即座に削除をすることができます。 システム全体のスキャンを行う方法は次のとおりです:

    1. CleanMyMacをダウンロード (無料ダウンロード) してアプリを開きます。
    2. 「セキュリティ保護」に移動してスキャンを実行します。
    3. ウイルスが検出された場合は「削除」をクリックします。 見つからなければ、問題はないという事です。
    4. ウイルスがMacに侵入した場合には、そのウイルスは安全に削除されます。

    お使いのMacから手作業でマルウェアを削除する方法:

    1. アクティビティモニタを使用する

    もし、Macのどのアプリが悪い影響を及ぼしているのか分かれば、その問題の解決は比較的簡単です。 まず、そのアプリを閉じて、システムプロセスからその作業を取り除くことです:

    1. アプリケーションからアクティビティモニタを開きまましょう。
    2. プロセス中の問題のあるアプリを特定します。
    3. [x] ボタンを使用してアプリを終了します。


    次にアプリケーションに戻り、アプリをゴミ箱に移動します。 すぐにゴミ箱を空にしましょう

    これはシンプルな方法ですが、ウィルス削除の精度をより上げる為には、もう少し時間を掛ける必要があります。 システムフォルダの周りには、ウイルスアプリの一部がまだ散在しています。 ウィルスは、トカゲのように尻尾が切れても再生するようなものなので、確実に全てを消去することを心がけましょう。 マルウェアをお使いのMacから完全に削除する方法は アプリのアンインストールです。

    豆知識: ダウンロードしたファイルの中に、マルウェアに感染した .DMGファイルがないかどうか、簡単に検索してみましょう。 主な原因は、最近ダウンロードされたファイルで、特にメディア関連のファイルである可能性があります。 それらを削除して、ゴミ箱を空にしましょう。

    2. アプリのアンインストール

    もし、うっかりダウンロードしてしまったアプリがウイルスだった場合、すぐにアンインストールする必要があります。 これを行うにはいくつかの手段があります。 少し難しいと感じるかもしれません。

    1. 「アプリケーション」フォルダに移動して、アプリを「ゴミ箱」にドラッグします。
    2. Finderから「移動」→「フォルダへ移動」で「~/Library」と入力し、「Application Support」フォルダからアプリに関連するファイルを探し、ゴミ箱に移動します。
    3. ~/Library 内の他のフォルダ、特にLaunch AgentsとLaunch Daemonsを確認して、対象のアプリに関連する .plistファイルを削除します。
    4. メインのライブラリフォルダ(/Library)に対して手順3を繰り返します。
    5. 最後に再起動を忘れないでください。これらのファイルは再起動されるまでメモリに残り続けるからです。

    ご覧のとおり、アプリを手作業で削除するにはかなりの手間が掛かります。 ただし、アプリを削除する簡単な方法があります — この目的で設計された専門ツールの利用です。 この記事の前半で推奨したMacクリーナーアプリのCleanMyMacには、システム全体に散在しているファイルと一緒にアプリを完全に削除する「アプリケーション」機能があります。 その利用方法はこちらです:

    1. CleanMyMacを開きます。
    2. サイドバーから「アプリケーション」>「アプリケーションを管理」をクリックします。
    3. 削除したいアプリを選択します。 中央のパネルには「不審」というタブがあり、これはウイルスを探すときに役立ちます。
    4. 「アンインストール」をクリックします。 「アプリ関連の不要ファイル」のタブを確認すると、過去にMacから削除したアプリの関連ファイルが残っているかを確認することもできます。

    以上です! ライブラリフォルダ内に残っている不要ファイルを探す必要なく、CleanMyMacがMacから不審な不要アプリの削除をしてくれました。

    3. Macのログイン項目からマルウェアを削除

    アドウェアやスパイウェアの多くは、起動プロセスに侵入しようとするものが多いです。 有名なセキュリティソフトを使用して対処することが多いですが、これらを防ぐことは可能です。

    1. アップルメニュー > システム設定 > 一般を選択します。
    2. ログイン項目のタブを開きます。 見覚えのないアプリや名前が表示されていたら、“—” を利用して消去しましょう。 消去したら、変更を適用するためにMac を再起動しましょう。

    4. Macからポップアップ広告を削除

    ポップアップ広告は利用しているブラウザに関連するため、そのブラウザが何であれ、徹底的なクリーニングが必要です。 まず、広告は無視することから始めましょう。 それらの警告の中には、Macで検出された343のウィルス等について言及し、”Mac プロテクター”や”Mac セキュリティ”などのツールをインストールするように強制するものがあります。 それらは無視して、ポップアップのどこもクリックしないようにするのが基本です。 [x] ボタンをクリックしても広告が閉じない場合は、コントロールキーを押しながらブラウザのアイコンをクリックして、ブラウザを完全に終了します。

    使える情報: Shiftキーを押しながらSafariの新規セッションを開始します。 こうすると、広告ポップアップを含む以前のすべてのタブが再表示されなくなります。

    Safariのポップアップ広告をブロックする方法
    1. Safariの設定(上部メニュー)>Webサイトを開きます。
    2. サイドバーの一番下にある「ポップアップウィンドウ」の項目までスクロールします。
    3. 個々のウェブサイトまたはすべてのウェブサイトのポップアップをブロックします。
      Chromeのポップアップ広告を削除する方法
      1. Chromeの設定(3つの点のアイコン)>プライバシーとセキュリティを開きましょう。
      2. サイトの設定からポップアップとリダイレクト に進みます。
      3. サイトによる「ポップアップの送信やリダイレクトの使用を許可しない」を選択します。
      Firefoxのポップアップ広告を削除する方法
      1. Firefoxの「設定」→「プライバシーとセキュリティ」を開きます。
      2. 「ポップアップウィンドウをブロックする」または「例外を管理する」にチェックを入れます。

      5. Macからアドウェアやウイルスを削除するために拡張機能を消去

      Macからマルウェアを完全に削除するためには、使用しているすべてのブラウザの拡張機能を確認する必要もあります。

      Safari
      1. Safariの「設定」→「機能拡張」をクリックします。
      2. 対象の拡張機能を選択してアンインストールをクリックします。
      Chrome
      1. Chromeを起動し、右上の3点アイコンをクリックします。
      2. 「設定」を選択して、メニューに表示される「拡張機能」を選択します。
      3. 見覚えのない拡張子を選び、削除を押しましょう。
      Firefox
      1. Firefox を開きます。
      2. 右上隅にある三本線のアイコンをクリックします。
      3. 「アドオンとテーマ 」を選択します。
      4. 「拡張機能」のタブをクリックして、見覚えのないものを削除します。
      5. 省略記号をクリックし、削除を選択します。

      6. セーフモードで起動

      マルウェアによってはお使いのMacの動作が重くなり、何もできなくなることがあります。 しかしMacをセーフモードで起動すると、解決できる場合があります。 セーフモードは、特定のソフトウェアを読み込まず、macOSに必要なアプリケーションとプロセスだけを実行します。 さらに、起動ディスクのチェックを行い、システムキャッシュを削除することで、あなたのMacに必要な機能を満たすことができます。

      Intel ベースのMac でセーフモードを起動する方法:
      1. Macを再起動し、Shiftキーを押しながらMacを起動します。
      2. ログインウィンドウが表示されたら、Shiftキーを離し、ログインします。
      3. Macの画面右上に「Safe Boot」と表示されているはずです。
      Appleシリコンを搭載したMacでセーフモードに起動する方法:
      1. Macを再起動し、電源ボタンを長押しします。
      2. 起動オプションが表示されたら、ボタンを離します。
      3. 起動ディスクを選択し、Shiftキーを押しながら、「セーフモードで続行」をクリックします。
      4. Mac にログインします。 何度かログインが必要な場合があります。

      マルウェアの除去に失敗した場合

      Macからマルウェアを削除するのに役立つ更なるアイデアをいくつかご紹介します。

      Macにマルウェアが侵入するのを防ぐ方法

      Macでウイルスを駆除する方法はおわかりいただけたでしょうか? マルウェアを防ぐ方法を知りたい方のために、いくつかの基本的なヒントを用意しました。

      • ダイアログボックス(メッセージ) の中身をよく読む。
      • 信頼できるパスワード管理アプリを使う。
      • 匿名でインターネットページの検索を行うようにする。
      • パスワードの代わりにパスフレーズを利用する。
      • Mac用の「緊急」起動可能な外付けドライブを作成する。
      • 可能な限り、安全なウェブサイト(https:// で始まるもの)のみを閲覧する。
      • 見覚えのないメールのリンクをクリックしない(特に送信者を特定できない場合)。
      • 不審なメールの添付ファイルを開かない。
      • 見慣れないサイトからのソフトウェアやデータのダウンロードを避ける。
      • Webサイトに表示される変な広告やポップアップをクリックしない。

      ヒント

      ブラウザでJavaScriptを無効にすることで、特定のマルウェアによる脅威を防ぐことができます。 一部のWebページが表示されなくなる可能性がありますが、ブラウジングの安全性は高まるのは確かです。

      SafariのJavaScriptを無効にする手順:

      • Safari の設定 > セキュリティに進みます。
      • 「JavaScript を有効にする」のチェックを外します。

        Macをマルウェアから守る方法

        さて、マルウェアを防ぐ方法を説明したところで、さらに詳しい情報を見ていきたいと思います。 この記事で詳しく書かれていますが、今回はその特徴を紹介します。

        新しいユーザーを作成する

        通常、ウイルスはコンピュータの特定のユーザープロファイルに感染するため、それにより管理者権限にアクセスできます。 しかし、そんな時は、Macに新しいユーザーを作成するという方法があります。 心配しないでください。重要なデータはすべて、対象のユーザーから別のユーザーに移すことができます。

        1. アップルメニュー>システム設定>ユーザーとグループと進みます。
        2. アカウントの追加をクリックし、管理者パスワードを入力します。
        3. 画面の指示に従って、新しいユーザーを作成します。 管理者アカウントであることを確認してください。

        大切な情報をあるユーザーから別のユーザーに移動するには、次のようにします:

        1. Finder > フォルダへ移動 をクリックします。
        2. /Users を貼り付けます:
        3. 必要なファイルを古いユーザーアカウントから共有フォルダーにコピーします。

        定期的なスキャンを実行

        もう1つの良い習慣は、専用のクリーナーアプリを利用してチェックを行うことです。忙しくてシステムスキャンを実行できない場合は、先ほど紹介したアプリのCleanMyMacにバックグラウンドスキャンとウイルスモニター機能が搭載されています。 これらはシステムに悪意のあるアクティビティの存在をチェックするだけでなく、アクティブな脅威に反応して即座に削除することができます。

        Macのウイルス対策とマルウェア対策をさらに強化する方法はこちらです:

        1. CleanMyMacをインストールして開きます (こちらから無料ダウンロード)。
        2. メニューバーのCleanMyMacのアイコンをクリックして、メニューアプリに移動します。
        3. 「セキュリティ保護」のパネルをクリックします。
        4. リアルタイムウイルスモニターとバックグラウンドスキャンをオンにします。
        セキュリティ

        以上の通り、Macからウィルスを削除するには、感染の程度やウィルスの種類に応じて様々な方法があります。 理解しておくべき点は、ご利用のMacが感染している可能性があっても、焦る必要は無いという事です。 ご利用のMacがウィルスに感染しない為にも、怪しいMacの警告は二度とクリックしないように注意しましょう。


        よくある質問

        Mac はマルウェアの感染の可能性がありますか?

        Macコンピュータは長い間、ウイルスとは無縁と考えられてきました。 確かに安全性が高いことは事実ですが、Appleのセキュリティ機能が向上するにつれて、マルウェアも増えています。 MacはアドウェアやPUPに攻撃されることが多く、現状macOSにはそれに明確な対処法がありません。

        Macがウィルス感染しているかを確認する方法とは?

        予期せぬMacの再起動やフリーズ、突然のパフォーマンス低下、理由なく起動するアプリ、ポップアップや広告の増加、許可なくインストールされる新しいアプリ、原因不明のブラウザ設定の変更(検索エンジンやホームページなど)などです。

        なぜマルウェアは危険なのでしょうか?

        マルウェアに感染すると、Macの動作が著しく遅くなることはもちろん、個人情報や機密情報が危険にさらされる可能性があります。 最悪の場合、金銭的な損失や個人情報の盗難につながることもあります。