RAMを搭載したIntelベースのMacとは異なり、Appleシリコン搭載のMacにはシステムオンチップ (SoC) で使用されるメモリが搭載されており、その仕組みの説明のためにユニファイドメモリという用語が使われています。 では、ユニファイドメモリとは何でしょうか? どのようにMacで機能するのでしょうか? どれくらいの容量が必要なのでしょうか? この記事ではそのすべてを説明していきます。

ユニファイドメモリとは

AppleのMシリーズMacは、ユニファイドメモリアーキテクチャを採用しています。 これは、GPUが独自のメモリを持つのではなく、CPUとGPUが同じメモリバンクを共有する構造を意味します。 この設計は、システムオンチップの効率を向上させることを目的とするものです。

Macのユニファイドメモリの仕組み

Macにおけるユニファイドメモリの仕組みを説明するためには、まず従来のメモリアーキテクチャの仕組みを理解するのが効果的です。 メモリ (ランダムアクセスメモリ、RAM) は、CPUやGPUが命令を実行している間、データを一時的に保存するために使用されます:

  • CPU (中央処理装置) は、Macが実行するほとんどのタスクの命令を処理します。
  • GPU (グラフィックス処理装置) は、ゲームのプレイや3D画像のレンダリングなど、グラフィックスに関連する処理を行います。

メモリは、ハードディスクやSSDにデータを保存するよりも高速にアクセスできるので、アプリケーションやプロセスが実行中に必要とするデータを一時的に保存するためにも使われます。

したがって、コンピュータのメモリ容量が大きいほど、より多くのデータをそこに保存でき、CPUとGPUがディスクへの読み書きに費やす時間は短くなります。これが理論ですが、他にも考慮すべきことは多数あります。

その1つは、異なるコンポーネント間でデータが転送される効率であり、ユニファイドメモリの目的はその転送スピードの高速化です。 CPUとGPUの両方で1つのメモリバンクを使用すると、マザーボード上のコンポーネントをより近くに配置できるので、データが移動する距離が短くなります。

必要なユニファイドメモリの容量

Appleが2020年に初めてM1のMacを発売した際には、RAMの基本構成がたったの8GBだったことに多くの人が驚きました。 そして最新のMacにおいては、16GBに増量されています。

Appleシリコン搭載のMacは、IntelベースのMacがRAMを使用するよりもユニファイドメモリを効率的に使用するので、多くのユーザーにとっては8GBでも十分でした。16GBにアップグレードを行えば、MacでのWebサーフィン、メール、休日の写真の編集などの日常的なタスクに使う場合、まったく問題なく機能します。

問題が起こる可能性があるのは、非常に大きな画像やビデオの編集、3Dレンダリング、高度なグラフィックを多用するゲームのプレイなど、リソースを大量に消費するタスクを実行している場合です。 そのような目的でMacを使用するのであれば、最低でも24GBを選択するべきで、容量は大きければ大きいほど良いものです。

Macの「システム設定」>「一般」>「情報」から、現在搭載されているメモリの容量を確認することができます。

Macのパフォーマンスを改善する方法

Macが購入当初ほど高速であったりスムーズに動作しなくなった場合、その解決策の1つは定期的なメンテナンスです。 車や建物と同じように、Macも定期的にメンテナンスを行うことで、より長く良好な状態で動作し続けることができます。 定期的なメンテナンスには、RAMの解放 (RAMの容量が8GB以下のMacの場合は特に重要)、パージ可能なディスク領域の消去、Spotlightのインデックス再作成などのタスクが含まれます。

これらすべてのタスクを自力で実行するのは、とても時間が掛かる作業です。 ただし、自力で行う必要はありません。 CleanMyMac の「パフォーマンス」機能では、これらのタスクをすべて自動的に実行できるほか、Time Machineのスナップショットの縮小、ディスクのアクセス権の修復、DNSキャッシュの消去、メールの高速化などを行うことができます。 また、これはログイン項目やバックグラウンド拡張機能の管理にも役立ちます。

これを利用する方法は以下のとおりです:

  1. CleanMyMacの無料トライアルに登録します。
  2. アプリを開いて「パフォーマンス」>「スキャン」>「タスクを実行」をクリックします。

実行したいタスクを選択する場合は、まず「全てのタスクを表示」をクリックします。 Appleシリコン搭載のMacをご利用であれば「パフォーマンス」機能からRAMを解放することはできませんが、このメニューアプリから解放することが可能です。 メニューバーの小さなiMacアイコンをクリックしてメニューアプリを開き、メモリタブの「解放」をクリックします。

比較:ユニファイドメモリ vs RAM

ユニファイドメモリとRAMは同じものでしょうか? 基本的な意味では、同じようなものです。 Appleのユニファイドメモリは、ダイナミックRAM (DRAM) と呼ばれる種類のRAMを使用しています。 ただし、ユニファイドメモリはGPUとCPUによって使用されるので、ビデオRAM (VRAM) でもあります。 したがって、メモリチップのアーキテクチャは同じですが、ユニファイドメモリはCPUとGPUの両方にメモリ領域を提供するので、RAMとは少し異なる機能を果たします。

上の図は、RAMとVRAMの両方を搭載したシステムが通常どのように機能するのかを示すものです。 以下はAppleのユニファイドメモリの図で、CPUとGPUの両方にアクセスできる2つのメモリバンク (DRAM) を示しています。

ユニファイドメモリは、Appleシリコン搭載のMacのメモリアーキテクチャを表すために使われる用語です。 これは、CPUとGPUのメモリに別々のメモリバンクを持つのではなく、両方の処理装置が同じメモリバンクを利用するので、統合されています。 これは、チップ上の部品点数を減らすことで、他の部品同士をより近くに配置できるようにするという考え方です。その結果、部品間のデータ転送に要する時間が短縮され、結果的にMacが本来よりも高速になるという理論です。

よくある質問

ユニファイドメモリはRAMと同じですか?

シンプルな意味で言えば、同じようなものです。 ただし、RAMとは異なり、これはCPUとGPUの両方に利用されるものです。

ユニファイドメモリはどれくらいの容量が必要ですか?

これは、あなたのMacの利用方法次第です。 大容量の写真やビデオを編集したり、グラフィックを多用するゲームをプレイしないようであれば、多くの場合は8GBで十分です。