Macは耐久性の高さで愛されており、新しいmacOSバージョンにアップグレードすると、MacBookがさらにフレッシュになります。しかし、良いことには必ず終わりが来るものであり、すべてのMacは最終的に最新バージョンのmacOSをインストールできなくなるタイミングが訪れます。 ご利用のMacが古いモデルで最新のOSにアップデートできるか疑問であれば、それを確認する方法を紹介します。
Macのモデルが最新のOSにアップデートするのに古すぎますか?
この記事執筆時点では、macOSの最新バージョンはSequoiaです。 AppleがインストールをサポートしているMacの一覧はこちらです:
- iMac 2019年以降
- Mac Studio 2022年
- Mac mini 2018年以降
- Mac Pro 2019年以降
- iMac Pro 2017年以降
- MacBook Air 2020年以降
- MacBook Pro 2018年以降
ご利用のMacが上記の一覧に含まれていない場合でも、Sequoiaをインストールできる可能性はあります。ただし、問題が起こった場合にはAppleのサポート対象外であり、今後のアップデートをインストールできなくなるリスクがあります。
最新のOSにアップデートするのが重要な訳
では、なぜアップグレードに注目すべきなのでしょうか? その答えは「セキュリティ」という一言に尽きます。 Appleは、セキュリティ上の脆弱性に対処する目的で、現在のmacOSのバージョンの定期的なアップデートを行っています。 また、古いバージョンのOSにもパッチを適用しますが、そこまでの頻度ではありません。
その他にも理由があります:
- アプリの互換性:ほとんどの開発者は、アプリの各バージョンにおけるサポート対象のmacOSのバージョンに制限を設けています。
- パフォーマンス:新しいmacOSバージョンは最適化されているので、Macをアップデートしないと、ディスク障害などの深刻な問題が発生する可能性があります。
- 新機能:これは説明するまでもなく、新しいmacOSバージョンは、主にデザイン等がアップデートされて改善されています。
- Appleのエコシステムとの連携強化:特に同じAppleアカウントにログインして他のAppleデバイスを使う場合は重要です。新しいmacOSバージョンには、共有やその他の機能を強化する機能 (Handoffや連携カメラなど) が搭載されています。
最新OSにアップグレードしない理由
セキュリティの観点では重要であるにもかかわらず、最新バージョンにアップグレードを行わない選択をする人もいますが、それにも十分な理由があります:
- レガシーアプリのサポートの終了:必要なアプリケーションが新しいバージョンのmacOSでは動作しないので、アップデートしない事を選択する人もいます。 例えば、AppleがiTunesを廃止して別のアプリを導入したとき、iTunesを実行するプレーヤーとして使用していたMacのアップグレードを行わなかったユーザーもいました。 32bitのアプリから64bitのアプリへの移行についても同じです。
- パフォーマンスの懸念:古いMacにおいては、新しいmacOSバージョンは要求が厳しすぎてハードウェアに過度の負担が掛かる可能性があるので、速度低下は避けられません。
- ドライバの問題:開発者によっては、ドライバをすぐにアップデートしないこともあります。
Macが最新のmacOをサポートしていない場合はどうすれば良いでしょうか?
Appleがご利用のMacで最新バージョンのmacOSをサポートしていないからといって、必ずしも実行できないわけではありません。その場合には、通常のアップグレード方法を使用できず、問題が起きた際にAppleからサポートを受けられないというだけです。
もちろん、これに伴うリスクはあります。 何らかの問題によってアップグレードが成功しなかった場合、Macで実行していたOSのバージョンに戻すことが (不可能ではありませんが) 困難になる可能性があります。 もしくは、Macが重すぎる可能性があります。
アップグレードを開始する前に、Time Machineを使用してMacをバックアップすることで、これらのリスクを軽減できます。 そうすることで、何か問題が発生した際には起動ディスクを消去して、Time Machineのバックアップから復元することができます。
サポートされていないMacに最新のmacOSをインストールする方法
この方法では、OpenCore Legacy Patcherと呼ばれるサードパーティ製のツールを用いることで、macOSインストーラがMac上で通常行う、そのバージョンのインストールがサポートされているかの確認作業をバイパスすることができます。 OpenCore Legacy Patcherに加えて、消去して再フォーマットしても問題のない16GB以上のUSBスティックと、インストーラをダウンロードできる最新バージョンのmacOSの実行が可能なMacが必要です。
- 最新バージョンのmacOSをインストールしたいMacのバックアップがまだ完了していない場合は、今すぐバックアップを行います。
- 最新バージョンのmacOSの実行がサポートされているMacで、App Storeのアプリを起動して、OS (macOS Sequoiaなど) を検索します。 それをダウンロードして、インストーラが起動したら終了します。
- USBスティックをMacに接続して「ディスクユーティリティ」を起動します。
- 「消去」を選択し、名前を付けて「Mac OS拡張 (ジャーナリング)」としてフォーマットします。
- OpenCore Legacy Patcherをこちらからダウンロードします。
- USBスティックをMacに接続した状態で、OpenCore Legacyを起動し「Build OpenCore」を選択します。
- 画面の指示に従って、最新バージョンのmacOSをインストールしたいMac用のOpenCore Legacyパッケージをビルドします。
- 完了したら「Install OpenCore」に進んで、指示に従ってUSBスティックに起動可能なインストーラを作成します。
- 完了すると、USBスティックに起動可能なインストーラが作成されます。インストーラは、どのMacにインストールするのかを確認しません。
- USBスティックを取り外して、OSをインストールしたいMacに接続し「Option」キーを押しながらMacを再起動します。
- 要求があれば、そのUSBスティックを起動ボリュームとして選択します。
- macOSユーティリティから「macOSをインストール」を選択し指示に従います。
古いMacを長持ちさせるためのヒント
古いMacをお持ちであれば、最新バージョンのmacOSをサポートしているかに関係なく、Macの寿命を延ばすためにできることがいくつかあります:
- まだハードドライブを利用している場合には、ソリッドステードライブ (SSD) に置き換えることができます。 SSDはハードドライブよりも高速なので、SSDでの起動はハードドライブでの起動よりも遥かに高速です。 また、ハードドライブよりも信頼性が高く、故障する可能性も低いものです。
- RAMのアップグレードが可能であれば、それも行うべきです。 最近のアプリは古いアプリに比べてRAMへの負荷が遥かに高く、RAMを増やすことでMacの動作が速くなります。 その方法についてはこちらのガイドをご覧ください。
- 古いMacにおいては、バッテリーの寿命をモニタリングすることが推奨されます。 「システム設定/環境設定」>「バッテリー」に移動して、Macのバッテリーの状態を確認します。 状態が好ましくなければ、可能であれば交換を行うべきです。 もしくは、低電力モードを常にオンに設定することで、今後充電が必要になる回数を減らすことができます。
Macを常に最新の状態に保つために、macOSのアップデートを行うべきです。 しかし、ご利用のMacのモデルが古くて最新のOSにアップデートができない場合、 どうすれば良いのでしょうか? 上記の手順でインストールを行うこともできます。 もしくは、古いバージョンを利用し続けます。 その場合には、セキュリティ上の懸念からインターネットへの接続は避け、上記のいくつかのヒントを用いてMacを長持ちさせましょう。