お使いのMac、iPhone、iPadからスパイウェアを駆除する方法

Appleデバイスの良い点は、セキュリティ面でかなり安全で、他のデバイスと比較すると、ウイルス数も少ないことです。 しかし、だからといって仮に感染してしまったときに、免疫があるとは言えません。 近年、マルウェアがMacやiOSデバイスに危害を加える事件が多発しているというデータもあります。 ですが、今現在もスパイウェアに感染することは比較的少なく、感染しても駆除するのはそれほど難しくありません。 この記事では、Mac、そしてiPhoneやiPadからスパイウェアを駆除するためのヒントを紹介していきます。

スパイウェアとは?

スパイウェアは悪意のあるコードで、コンピュータに侵入し、個人情報（個人情報、財務情報、キー入力、ウェブ閲覧の習慣、ウェブカメラの画像など）を吸い上げてしまうウイルスの一種です。 スパイウェアに関連する主な脅威は、通常バックグラウンドで動作するため、長い間気づかれずに残ってしまう、ということです。

スパイウェアには主にいくつかの種類があります：

1. アドウェア - ユーザー情報を収集し、それに基づいて広告やポップアップウィンドウを生成するように設計されているものです。Macに実害を与える可能性は低いものの、非常に不便でイライラさせられるものとなっています。 ポップアップや広告の中に、より悪質なアプリへのリンクが含まれている場合があります。
2. トロイの木馬 - ソフトウェアのアップデートやムービーなど、一見合法的に見えるファイルで、ユーザーを騙してダウンロードさせるように設計されたものです。 トロイの木馬は、ソフトウェアのアップデートやムービーなど、一見正当なファイルを装い、ユーザーを欺いてダウンロードし、デバイスに入り込むタイプのものです。
3. Cookie追跡 - ブラウジング習慣やウェブ検索を追跡するために使用される悪意のあるアプリです。 その情報は、アドウェアを表示したり、個人情報の売買目的で使用されます。
4. キーロガー - ユーザーの認識や許可なしにインストールされるコードの断片で、キーボードの入力内容を盗んでいくものです。 そうすることで、ユーザー名、パスワード、クレジットカード番号、その他の機密情報などの個人データにアクセスすることができてしまい、危険です。
5. スクリーンスクレーパー - スクリーンの様子を無断で追跡し、貴重な情報がないか監視する悪質なアプリです。
6. 追跡ソフトウェア - ユーザの行動やシステムを追跡するように設計されたアプリです。
7. リモート・コントロール・ソフトウェア - 他のマルウェアのバックドアとして機能するために作られたコードの一部です。

Macはスパイウェアに感染するのでしょうか？

MacOSは他のオペレーティング・システムよりも安全だと言われていますが、100％マルウェアから保護されるわけではありません。 実際、近年さまざまな規模のマルウェア攻撃が行われていることが明らかになっています。 そのため、Macはスパイウェアに感染する可能性があり、スパイウェアを駆除する方法を知っておくことは非常に重要です。

Iosの場合はどうでしょうか？

Macと同様、iOSもスパイウェアに感染する可能性があります。まれなケースですが、それでも可能性はあります。 IPhoneやiPadにスパイウェアがインストールされるのは、物理的に誰かがデバイスを使用する場合、リモートでデバイスにアクセスする場合、どちらも考えられます。 いろいろな対策がされていますが、それでもIOS上で対応できることもあると思いますので、Apple側の対応を待ちましょう。

それでは、スパイウェアを除去し、安全性とセキュリティを高めるための予防策を学んでいきましょう。

Macでスパイウェアを検出する方法

スパイウェアの検出に必要なのは、お医者さんがやっていると同じようなことで、症状の「観察」とシステムの「検査」です。 Macのスパイウェアは、パフォーマンスに顕著な変化が見られるので、簡単に発見できます。 スパイウェアに汚染されたMacは、動作が遅くなり、バッテリーの消耗が早くなり、加熱傾向にあります。 スパイウェア感染の兆候は他にもありますので一つづつ確認していきましょう：

• 知らないうちに新しい環境設定、ツールバー、拡張機能がインストールされている
• ホームページやデフォルトの検索エンジンが変更されている
• ポップアップや広告が大量に表示
• 起動時に黒いコマンドライン画面が表示
• リソース使用量（CPUなど）の原因不明の急増 - リソースの監視には、内蔵のアクティビティモニタを使用できます。

これらの症状があることが確認されたら、実際にCPUの使用率を確認してみましょう。 それにはApp Tamerを使用していきます。 Mac用のCPUモニタリングができるアプリです。 App Tamerは、プロセスを追跡し、任意のアプリにCPU使用量の上限を設定して、一時的な処理を行う事ができます。

App Tamerでリミット制限を表示する方法はこちらです：

1. App Tamerを開きます。
2. 制限したいアプリをクリックします。
3. 「Slow down this app if it uses more than:（このアプリの使用速度が遅くなる場合）」にチェックを入れる。
4. そこで、制限したい%数を入力します。

Iosデバイスのスパイウェアを検出する方法

先ほど紹介した症状に当てはまる場合は、iOSデバイスがスパイウェアに感染している可能性があります。 バッテリーのパフォーマンスが低下する・過熱・ブラウザの設定が変更、ポップアップや広告が大量に表示されるなどです。 他にもiPhoneやiPadがスパイウェアに感染している可能性を示す兆候として、データ使用量の急増、アプリの頻繁なクラッシュ、インストールしていないアプリの表示などがあります。

Macからスパイウェアを取り除く方法

スパイウェアは非常に厄介で有害な可能性がありますが、通常、削除するのはそれほど難しくありません。 最も簡単な方法は、信頼できるクリーナーツールを使ってスパイウェアをスキャンすることです。

CleanMyMac Xを使ってMacをスキャン

おすすめは、 CleanMyMac X のような専用ツールを使用して、Mac上のスパイウェアを検出、無効化、削除する事です。

CleanMyMac Xでシステムをスキャンすると、このスパイウェアファインダーがマルウェアの脅威（ランサムウェア、ワーム、暗号通貨マイナー、スパイウェア）を即座に取り除いてくれます。 このアプリがあるだけで、心理的な負担も一気に減るでしょう。

使い方は以下の通りです：

1. CleanMyMac Xをダウンロード し、アプリを開きます。
2. 「ウイルスを削除」をクリックします。
3. 「スキャン」をクリック
4. 「削除」をクリックします。

CleanMyMac Xは、そのマルウェア除去ツールとして、機能面や使い心地で良いものだと言えます。 しかし、スパイウェア保護以外にももっと様々な事ができます。 リアルタイムでMacを確認し、スパイウェアがあなたのマシンに感染する危険性がある場合、CleanMyMac Xが通知してくれる機能もあります。 また、Mac上の起動エージェントなどを監視し、スパイウェアの侵入を防いでくれます。 まさに侵入を防いでくれる壁のようなものです。

IphoneやiPadからスパイウェアを削除する方法

Iosデバイスでの、スパイウェアの駆除も比較的簡単にできます。 ただし、いくつかのステップを踏む必要がある。

1. デバイスをアップデートする

前述の通り、セキュリティの欠陥により、スパイウェアがiOSデバイスに忍び込むことがあります。 少し前にiPhoneがこの理由でPegasusスパイウェアの影響を受けやすくなり、iPhoneユーザーはデバイスをアップデートして対処するよう通知されたニュースもありました。 IosやiPadOSのバージョンが新しくなるたびにセキュリティパッチが適用されるため、基本的には、デバイスを最新の状態に保つことが、スパイウェアの駆除と予防に最も効果的です。

IPhoneとiPadをアップデートする手順は同じです：

1. デバイスのロックを解除する。
2. 「設定」>「一般」>「ソフトウェア・アップデート」と進みます。
3. アップデートがある場合は、画面の指示に従ってインストールしましょう。
4. 設定アプリで、自動アップデート機能がオンになっていることを確認しましょう。

2. 不審なアプリを検索して削除する

スパイウェア除去のもう1つのヒントは、悪意のあるアプリを検出して取り除くことです。 デバイスにインストールしていないアプリや、ダウンロード後にこれまでに説明したような兆候に気づいた時にいつも動作しているアプリが対象になります。

デバイスのアップデートと同様、iPhoneとiPadのアプリを削除する手順は同じです：

1. 削除したいアプリを見つけます。
2. アイコンを長押しし、ポップアップメニューから「アプリを削除」を選択しましょう。
3. アプリを削除を選択します。

3. デバイスを工場出荷時にリセットする

上記の手順でうまくいかない場合は、デバイスを工場出荷時にリセットする必要があるかもしれません。 スパイウェアを含むすべてのコンテンツと設定が消去されます。主な障壁は、工場出荷時リセットの後にiPhoneやiPadを復元するため、スパイウェアの症状に感染していない時のバックアップが必要になることです。

IPhoneとiPadのファクトリーリセットの手順も同じです：

1. デバイスのロックを解除し、「設定」 > 「一般」に進みます。
2. 転送またはリセット[Device] に移動します。 お使いのデバイスによっては、iPhoneまたはiPadと表示されます。
3. 「すべてのコンテンツと設定を消去」を選択します。
4. Apple IDまたはパスコードの入力を求められるので、入力します。
5. デバイスを消去することを確認し、リセットが完了するまで待ちます。

スパイウェア以前のバックアップがあれば、そのバックアップからiPhoneまたはiPadを復元しましょう（詳しい手順は こちら）。 そうでない場合は、新しいデバイスとして設定してください。

Macでスパイウェアを検出する方法

お使いのMacからスパイウェアを遠ざけるのに役立つヒントがいくつかあります。

1. 最新バージョンへのアップデート通知

MacOSのバージョンが新しくなるたびにセキュリティパッチが追加され、Macを保護する効果が高まります。 だからこそ、OSを最新の状態に保つことが重要です。 その処理はとても簡単です：

1. システム設定を開きます。
2. 「一般」>「ソフトウェア・アップデート」を選択します。 最新のmacOSバージョンを使っていない場合は、インストール待ちのソフトウェア・アップデートが表示されます。 アップデートをクリックし、そのまま進んでいきましょう。

自動アップデートをオンにすることを強くお勧めします。 こうすることで、最新のセキュリティパッチがリリース後すぐにインストールできるからです。

2. アプリケーションフォルダを確認

Macの「アプリケーション」フォルダに行き、見覚えのないアプリケーションを探してみましょう。 もしあれば、アンインストールしてください。 ただし、そのままゴミ箱に移動してはいけません。 正しくアンインストールできず、有害なファイルが残ってしまう可能性があるからです。 先ほど紹介した CleanMyMac X のようなアプリを使ってアンインストールしましょう。

CleanMyMac Xの開発するアンインストール機能はアプリケーションを完全にアンインストールし、Macからその痕跡をすべて取り除くことができます。 こちらから無料でダウンロード することができます。 ダウンロードしてインストールしたら、次の手順でやっていきましょう：

1. アプリケーションフォルダからCleanmyMac Xを起動します。
2. アプリケーションセクションのアンインストーラをクリックします。
3. アプリケーションのリストに目を通し、削除したいアプリケーションを見つけます。
4. その横のボックスにチェックを入れます。
5. 「アンインストール」をクリックします。

3. 不要なブラウザ拡張機能を取り除く

スパイウェアの中には、ブラウザの拡張機能という形でインストールされるものがあります。 これら拡張機能は、ウェブブラウザと一緒に実行され、追加機能を提供してくれます。 便利なものですが、知らないうちにインストールされたり、許可なくインストールされると厄介なものです。

ここでは、インストールしていない、または必要ないSafariの拡張機能を削除して、スパイウェアを取り除く方法を説明します：

1. Safariを開きます。
2. Safariのメニューをクリックし、「設定」を選択します。
3. 機能拡張タブをクリックし、機能拡張のリストを見ていきます。 インストールしていないものや不要なものがあれば、それをクリックしてアンインストールしましょう。
4. アンインストールしたい機能拡張ごとにそれを繰り返していきます。

Chromeの場合も手順は同様です：

1. chrome://settings を検索欄に入力して、エンターキーを押しましょう。
2. 拡張機能を確認していきます。
3. 不要なものがあれば削除をクリックしましょう。

Firefoxをお使いの場合は、以下の手順でできます：

1. Firefoxを開き、3本の横線をクリックします。
2. 「アドオンとテーマ」>「拡張機能」と進みます。
3. 見覚えのない拡張機能の横にある ... をクリックします。そして削除を行いましょう。

ブラウザの拡張機能とともに、不要なクッキーを取り除くことも意味があります。 その処理も先ほどから紹介している CleanMyMac X というアプリで実行が可能です：

1. 「プライバシー」機能をクリックします。
2. 「スキャン」をクリックします。
3. ブラウザ名をクリックします。
4. クッキーの隣にあるドロップダウン矢印をクリックします。
5. 削除したいクッキーの横のボックスを選択します。
6. 「削除」をクリックします。

最後にできることは、Time Machineまたはサードパーティ製のバックアップツールでバックアップから復元することです。 定期的にバックアップを実行していれば、スパイウェアに気づく直前のスナップショットを選択して、そこから復元することができます。 スナップショット以降に作成または更新したドキュメントは、まず別のストレージ・ドライブまたはクラウドサービスにコピーしてみましょう。

ベストなスパイウェア除去ツール

マルウェアを適切にスキャンするには、Macに保存されているプライバシー性の高いデータにアクセスする必要があります。 そのため、無料のツールを使用することはお勧めしません。 なぜなら、無料のツールには無料という点を利用して、悪意のあるプログラムが仕組まれている可能性が高まるからです。

ですから、マルウェアの脅威に対処するには、 CleanMyMac X, App Tamer, ClearVPN や Step Two のような企業によって開発され、Appleからも認証されているアプリを使い、 パフォーマンスとCPUプロセスの監視、ウェブトラフィックの保護、2FAコードを有効にすることをお勧めします。

IphoneやiPadをスパイウェアから防ぐ

Macと同じように、iOSデバイスでスパイウェアを回避するための方法がいくつかあります：

1. デバイスを常に最新の状態に保つ。 自動アップデートをオンにしておくことをお勧めします。
2. Apple IDのパスワードを時々更新し、パスワードが十分に複雑で、他のアカウントで再利用されていないことを確認しましょう。（「設定」>「Apple ID」>「パスワードとセキュリティ」）。
3. ２段階認証を有効にしていない場合は、有効にしましょう（同じく「設定」>「Apple ID」>「パスワードとセキュリティ」から）。

スパイウェアは怖いもので、お使いのMacやiOSデバイスにダメージを与える可能性があります。 しかし、スパイウェアの駆除はそこまで難しいものではありません。 この記事を参考にして、問題の解消につながったら非常に嬉しいです。