第31回目のApple社のWWDCでは、多数の素晴らしいアップデートが発表され、macOS Big Surについても垣間見ることができました。 多くのユーザーは、最新のオペレーティングシステムの名前はこれまでと同様に、カリフォルニア州内の別の美しい地名に由来する事になると予測していました。 そして、Apple社はその期待に応えるだけではなく、そのOSには期待以上の改善が導入される事がわかりました。
Macユーザーの一人として、恐らくあなたも最新のmacOS Big Surのリリース日程や、それによる大規模なアップデートが気になる事でしょう。 それでは早速、新しいOSについての詳細を見ていきましょう。
macOS Big Surのリリース日程
macOS Big Surのリリース日程 2020年11月12日に、macOS Big Surのパブリック版がリリースされました。 今回のリリースでAppleは、通常よりもベータ版からのアップデートに多くの時間を費やしました。 ユーザーは、MacのApp Storeからアップデートのダウンロードが可能です。 また、システム環境設定の”ソフトウェア・アップデート”の欄からも確認が出来ます。 これで、macOS Big Surの全ての機能が、Appleの開発者以外でも利用できるようになりました。
macOS Big Sur開発者向けベータ版は、既にAppleの開発者向けウェブサイトから入手が可能です。 ベータ版には、複数のバグやパフォーマンスの問題が含まれている可能性があるため、それらの対処方法の理解が無いのであれば、利用を避ける事が推奨されます。
Apple Developerアカウントをまだお持ちでなければ、macOS Big Surのパブリックベータ版が利用可能になると見られている7月頃までお待ちください。
あなたのMacはBig Surに対応していますか?
楽しみな最新リリースのインストール前に、確認する必要があるのは互換性だけです。 残念ながら、macOS Big Surが全てのMacのモデルに対応している訳ではありません。 新しいオペレーティングシステムには独自のシステム要件があるため、ご利用のMacがそれらと互換性がある場合には、新しいOSのインストールが可能です。 以下、macOS Big Surのアップデートに対応しているMac一覧になります:
- MacBook Air 2013年モデル以降
- MacBook Pro 2013年モデル以降
- Mac Pro 2013年モデル以降
- Mac mini 2014年モデル以降
- iMac 2014年モデル以降
- iMac Pro (全てのモデル)
- MacBook 2015年初旬モデル以降
ご利用のMacが最新OS非対応モデルの場合には? その場合は、macOS Catalina 10.15、もしくは最新の互換性のあるOSを利用していることを確認します。 Appleはこれまでのオペレーティングシステム用のセキュリティパッチをリリースしていますが、それでも全ての脆弱性に対処するわけではありません。
一部のユーザーに用いられている制限回避の手法:サードパーティによるソフトウェアを使用する事で、互換性の無いOSでもコンピューターにインストールする事ができます。 これはご利用のMacに対して何らかの影響を及ぼす可能性があるため、100%安全だという確証がない限り、この方法は推奨できません。
ご利用のMacのアップデート準備
お使いのMacが新しいmacOS Big Surと互換性がある場合は、リリースされ次第そのOSのインストールが可能になります。 しかしながら、よりスムーズで安定したアップデートの為には、いくつかの作業を行う必要があります。 まず1つ目は、不要ファイルや不要データをMacから取り除くことです。 これらは、古いシステムログや古いキャッシュファイル、そして長い間ゴミ箱の中に入っているアイテム等です。
これらのファイルに対処する一番優れたツールは、CleanMyMac Xです。 これは、散らかった遅いMacを整頓し、サクサク動くようにする為に開発された専門のMacクリーナーソフトです。 CleanMyMac Xには、他にも複数の役立つ機能があり、ストレージの管理、古いファイルや容量の大きなファイルの検出、システム内の利用していないアプリ、古いファイル、そしてウイルスの消去を容易に行う事ができるものです。
それでは、最新のmacOS Big Surをインストールする前にMacをクリーニングする方法はこちらです:
- CleanMyMac Xをダウンロードしてインストールします。(無料体験版を利用可能)
- アプリを起動して、スキャンをクリックします。
- 実行をクリックして古い不要なファイルを削除、もしくは
- 詳細を確認をクリックして、手作業で削除対象を選択します。
これでご利用のMacが整理されてキレイな状態になったので、次の手順であるデータのバックアップに進む事ができます。
バックアップは、システムアップデート前に必ず行うべき作業です。 Macへの新しいOSインストール後に、どのようなバグが発生するかの予測は不可能です。 場合によっては、以前のOSに戻す必要が出てきます。 仮に問題が発生してもデータが失われないようにする為には、macOS Big Surにアップデートする前に、Macの全てのファイルをバックアップしてください。
macOS Big Surの最新情報とは?
macOS Big Surは、フレッシュな見た目の中にもAppleらしいシンプルさを兼ね備えており、世界中のデザイナーの期待通りのものです。 この最新のアップデートでAppleは、macOSとiOSの類似性を高めました。macOS Big SurはiOSスタイルのウィジェットを利用し、メッセージ機能とマップ機能を拡張、更にこれまでiOSに限定されていた機能を搭載しています。 それでは、macOS Big Surの新機能について詳しく見ていきましょう!
モダンでフレッシュな外観
AppleはBig Surにおいて、macOSの見た目と感覚を再設計しました。 新しいデザインでは、角が柔らかく丸みを帯びた見た目になっています。 さらにAppleは、これまでのネイティブアプリのアイコンの外観を、丸みを帯びた四角形へと変更しています。 メニューバーは、iPhoneのカスタマイズ可能なコントロールセンターのようになりました。これによってユーザーは、Wi-Fi、Bluetooth、AirDrop、ディスプレイの明るさ、音量などの設定への素早いアクセスが可能になります。
macOS Big Surのコントロールセンターには、全てのお気に入りのメニューバーのアイテム表示が可能になります。 更にコントロールセンターを自由にカスタマイズする事も可能です。
通知センターにも変更があります。 新しい外観は、通知とウィジェットの両方を組み合わせているため、アプリを開かなくてもいくつかのタスクを実行する事ができます。 例えば、メールに返信するのであれば、その通知をクリックして長押しし、それで表示されるオプションを利用するだけです。
ウィジェットと言えば、AppleはOS X Yosemiteで最初にウィジェットを導入しました。 しかし今回は、同じウィジェットがiOSとmacOSの両方で利用可能になるため、2つのプラットフォーム間でアプリを便利に活用できます。
Safari
これまでmacOS Big Surへのアップデート前に別のブラウザーを利用していたのであれば、アップデート後はSafariに切り替えたくなる可能性があります。 最新のSafariは、他のブラウザよりもページの読み込み速度が50%も高速になります。 更に動画配信者にとって素晴らしいニュースがあります。Safariは、ChromeやFirefoxと比較して、動画配信におけるバッテリー消費時間が3時間も長くなります。
もう1つSafariに搭載される楽しみな機能は、プライバシーレポートと呼ばれるものです。 macOSのプライバシーをより強固にするもので、アクセスするサイトのすべてのトラッカーの概要を追加します。 Safariは、これらのトラッカーをブロックする他のブラウザよりも更に先進的に、安全なブラウジング体験を提供します。
macOS Big Surのリリースでは、Safariでお気に入りのChromeやFirefoxの拡張機能がより有用なものになる事が期待できます。 AppleはWebExtensions APIに対応しました。これによって開発者は、ChromeやFirefoxの拡張機能のSafariへの変換が簡単に出来るようになります。
メッセージ
Macのメッセージアプリは、iPhoneのアプリと完全に同期します。 重要なチャットを最大9つまで固定、写真やミー文字でグループチャットのカスタマイズ、さらにインラインでの返信など、これら全てをより便利にMacで実行可能になります。
Appleはユーザーにもっとメッセージアプリを活用して欲しいと考えており、このアプリは今後のOSアップデートにより、更に整理されて楽しく使えるものになります。 最新の検索インターフェースでは、リンクや写真、そしてテキストを更に迅速に検出する事が可能になります。 メッセージエフェクト等の古い機能もいくつか利用でき、会話を活性化する適切なエフェクトが自動的に追加されます。
マップ
最新のOSアップデートで、マップのアプリはMacユーザーにとって、より使いやすいものになります。 Macのマップアプリを使ってサイクリングのルートを計画し、それをiPhoneに同期する事が可能になります。 電気自動車をご利用であれば、マップアプリが充電ステーションのルート作成を手助けしてくれます。
macOS Big Surにおいて、マップアプリはより洗練されたものになります。 空港の内部やショッピングモールの内部をチェックする事で、そこで迷わなくもなります。
マップアプリにはガイドという機能も導入されました。 このガイドには、信頼できるブランドによる、食事や買い物、そして訪問場所などの推奨リストが含まれています。 これらのリストは、観光客や自分の街を探索したい人にとって役立つものであり、これにより提案されたルートを通りに進んだり、ご自身でリストを作成することも可能です。
その他の楽しみな機能
Big Surにおいて、Appleは責任あるデータ追跡を特に重要視しています。 オンライントラッカーによって行動が監視されないようにする機能が、Safariには多数搭載されます。
AppleはApp Storeでも同様の改善を行い、各アプリがユーザーから収集するデータを開示しています。 これにより開発者は、アプリやWebサイト全体でユーザーを追跡するために使用しているデータや、それによるユーザー特定など、明確な情報提供が必要になります。
もう1つの待望されていた機能は、デバイス間のAirPodsの自動切り替えで、これもmacOS Big Surに搭載されます。 これにより、もうAirPodsを手作業で再接続する必要はなく、同じiCloudアカウントにペアリングされているデバイスは自動的に切り替わります。
Appleシリコンについてと、それによるmacOSユーザーへの影響
macOS Big Surの発表と同時に、Appleは今後のMacをパワーアップする為の独自のAppleシリコンを発表しました。 これによるmacOSユーザーへの影響とは何でしょうか? この最新のシリコンはより高速で、Macのバッテリー寿命を大きく延ばすことが期待されています。
しかしながらAppleシリコンは、最新のチップに対応するためにアプリをアップデートする必要がある為、これは開発者にとって負担になるものです。 従って、このアップデート期間中は一部のアプリが一時的に利用できなくなる可能性があります。
macOSアップデートをインストールする為の空き容量の確保
macOS Big Surをインストールする事を多くの人が楽しみにしているはずです。 macOSを正常にアップデートするために、20 GBの空き容量を確保することをAppleは推奨しています。 空き容量を確認してハードドライブを消去する最良の方法は、CleanMyMac Xのスペースレンズ機能の利用です。
スペースレンズ機能は、ストレージ領域の仮想マップを作成し、各フォルダとその内容の詳細を表示するものです。 また、これは不要なファイルやアプリを削除する事で、新しいOSの為の空き容量を増やす事もできます。 ストレージマップを作成する方法は以下の通りです:
- CleanMyMac Xを起動します。
- スペースレンズ機能からスキャンをクリックします。
- フォルダを確認して、削除したいファイルを選択します。 CleanMyMac Xでは、重要なシステムファイルを削除する事は出来ません。
- 削除ボタンを押して、選択したファイルを削除します。
完了です! これでより多くの空き容量を確保できたはずです。
AppleのWWDCでは、大規模なデザインの一新、Safariのアップデート、ウィジェットの復活、メッセージやマップ等のアプリの改善など、多数の楽しみなニュースが発表されました。 今年のWWDCでは、独自のAppleシリコンでMacをパワーアップするAppleの革新的な計画も明らかになりました。 macOS Big Surは、あなたの期待通りのものになるでしょうか? ようやく世界中のMacユーザーが利用を開始するので、その答えはすぐに明らかになるでしょう。